今年の大会も、例年以上に、多くの記録が残り、そして、たくさんの記憶に残るレースが展開されました。そこで、大会を締めくくる意味でも、鈴木浩二ジュニア委員長と進行を務めた谷口孝司実行委員のお二人にお話を伺うことにしました。 まず、鈴木浩二ジュニア委員長へ。
記者(以降 記): 委員長としてどんな点に苦労されますか?
鈴木浩二ジュニア委員長(以降 鈴): 「一人でも多くの選手に出場してもらいたいと思う反面、記録が出やすいゆとりある大会にしたい、という矛盾に悩みます。今回は4000人近い選手が出場しましたが、私たちが選手に何ができるのか、もう一度、問い直してみたいと思います」。
記:委員長をやって良かったと思う瞬間は?
鈴:「やはり新記録が出たときです。記録の続出こそ、日本水泳界の向上の証ですから」。
記:今回の大会で印象に残ったことはなんでしょうか?
鈴:「高校新記録を出した山元啓照選手(イトマン埼玉)男子100m自由形CSのレースです。予選と決勝2レースとも高校新記録を出したのは、立派ですね」。
記:いま、水泳に取組んでいる全国の子供たちにメッセージをお願いします。
鈴:「良い泳ぎをして良い記録が出るように日頃の練習を頑張ってほしい。常に良いストロークを意識して、練習をすること。そして、生涯、水泳を続けてほしいと思います」。
谷口孝司実行委員からは、大会を振り返って「思わぬハプニングなどあって苦労も多かったのですが、質の高い選手が多く、好記録にも恵まれたよい大会だったと思います」。
最後に、私たち「ドリームネットワーク」のカメラマンたちが、ファインダー越しに見つけた、何気ないけど素敵なドラマ・・・・。ふだんの実力が出せずに肩を落として戻ってくる選手に、そっとなにごとか耳打ちする仲間たち。会場の雰囲気に飲まれたのか、挨拶を忘れた後輩に、優しく、でもきっぱりと注意する先輩。勝負にこだわりながらも、意見交換を欠かさないコーチの方たちの強い絆。レース前のあどけない表情と無邪気なおしゃべりが、一転するレースのときの鋭い眼光と、大人びた顔つき・・・それを、観客席から固唾を呑んで見守る保護者の方々。大会で出会った子供たちが、どんな風に成長するのか、今後の大会で会うのが楽しみです。 |